レールを外れてもまだ生きる - コロポンのブログ

派遣OL、ベンチャー企業取締役になる。二児の母。ふつうの会社員にはなれなかった人のつぶやき。

WELQの件と、真面目に生きてきたWebメディアの正念場と、「内職」のこと

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実のところ、こういうWeb系の「適法じゃない問題」に当事者に近い立場で参加するのは3回目。
1回目は、コンプガチャ問題。この時、もうソーシャルゲーム作るのはきついなと感じた。いかに面白いゲームを作るかなんてどうでもよくて、ユーザからいかに金をむしり取るかのほうが大事だった。ビジネスとはそういうものなのかなと思った。面白いゲーム作ってみんな幸せになれたらいいなって思って新卒でゲーム業界入って、それで現実を見せられたかんじ。大半以上は私が甘かったんだと思う。
2回目は、二重価格問題。シュークリームの元値が12,000円と表示されてた件。ただの労働員だったということもあって、まあこれは、自分つまんない仕事してるなーと思った程度。言われたとおりやってただけだし(その気持ちがいけないのだけど、そういう態度でないとあの社会では生きていけない)。
そして、今回のWELQ問題。私がちょうどWebメディアに参戦したころに、彼らも参戦したらしい。当時はNAVER一強だったけど、いつの間にやら彼らのコンテンツに支配されてた。私が作るコンテンツは、そんな彼らのコンテンツの下に、ほそぼそと表示されてる。なんとかしたかったけど、どうにも勝てない日々だった。

いつもいつも、儲かるからといってインターネットをグレーに染めていく人たちが、当然のように儲かっていく。
そんな状況で私がしていることといえば、いち労働員として後処理に追われるか、儲からない蚊帳の外で落穂ひろいを粛々としているだけ。

真面目系Webメディアの正念場

いち労働員だったコンプガチャや二重価格問題のころは、「早くこんな世界から逃げよう」と思って実際逃げて、それで良かったのだけど。
でも今回は違う。Webメディアのコンテンツを作る責任を伴う立場で、WELQ問題が延焼していくのを見た。私はずっと、WELQと同様の手法で作られているFind Travelや、記事の作り方としてはそれらとほぼ一緒だと思われるRETRIPなどの旅行系メディアのコンテンツの作り方について疑問を持っていて、それらへの反発から、「すべて現地取材」を掲げた旅行系Webメディアを立ち上げたという経緯もある。
まあ、これが儲からない。1本あたりの制作コストが断然違うし、量も出せないし、おまけに投資できる金もない。ライターさんにはもっと報酬お渡ししたいのに、利益を出すことができない今それも難しいという状況。適法だけど儲からないビジネス、そんなビジネスをやっている私が悪い。センスがない。
ビジネスを作る力が弱すぎるのだろう。適法なやり方でビジネスを作れさえすれば、パクリメディアが蔓延することもなかっただろう。それを編みだせずこんなウジウジしてるから、インターネットの世界もこうなってしまった。ビジネスを作らないと。

真面目にやってきたWebメディアはついに正念場を迎えたのだと思う。ここで利益出せる仕組み作らないと、世の中に自分が面白いと思えるコンテンツを発信することがもうできなくなっちゃう。デイリーポータルさんもだいぶ長い間赤字だったみたいだけど、こちらは弱小ベンチャー企業。会社を潰したくない。なんとかしないと。なんとかします。という決意表明も兼ねて。

キュレーションメディアの1円ライターのこと

あとは、キュレーションメディアの1円ライター、つまり私としてはそれはパソコンとキーボードを使った「内職」だと思ってるんですが、それについてもモヤモヤがあるものの考えがまとまってないのでまた今度書けたら書かせてください。
なんというか、内職の需要があるのをいいことに、適法じゃないことを安い単価でやらせるなんて、ほんと悲しいと思って。私も大手でガッチガチに働くことはメンタル的にたぶん難しくて、家で働けたらなあと思うことが多いほうです(今は毎日出社しなくていい会社なのでそれも込みで潰したくない)。
世の中こんなに便利になってるのに、家にいながらにして働くことはまだ現実ラインとしては難しい。救世主だったはずのクラウドワークスやランサーズが、キュレーションメディアの案件で埋め尽くされる(おまけに今なお案件は減ってない)。その悲しさへの答えをまだ見つけられずにいます。

そしてうちの母親が、簿記も持ってて大手インフラ系企業でそれなりにやってたのにも関わらず、自分と弟を育てるために家にいなきゃいけなくて、それでやってたのが昆布を縛る仕事とのし袋にのしをつける仕事だった、というのを思い出しました。昆布を縛る仕事のほうは、私が潮臭いと学校で言われるようになったのをついに母親に言ったら辞めることになったけど。つらい記憶思い出してしもうた。
なんとかしたいのだけど。いまこのご時世ならなんとかできそうなのに。