レールを外れてもまだ生きる - コロポンのブログ

派遣OL、ベンチャー企業取締役になる。二児の母。ふつうの会社員にはなれなかった人のつぶやき。

WebディレクターとWebゲームディレクターってほぼ一緒だと思ってたら違った

WebディレクターとWebゲームディレクターって、だいたい一緒だろうと思ってた。作るものがゲームが非ゲームかの違いかなーとか漠然と思ってた。
特に、Webのソーシャルゲームを私は作ってたわけですが、作業工程とかほぼ一緒だし。ちょっと思ってたのは、PCWebのゲームは運営しかしたことなくて、開発フェーズを経験したことないから、PCブラウザの技術的な知識は不足してるだろうなーとか。その程度。
でも案外決定的に違うことを、本職のWebディレクターと話していて気がついた。

今後WebディレクターからWebゲームディレクターになる人にも、その逆の人にも、参考までにこんな違いがあるんだということを知っていただければ幸いです。


Webディレクターのほうが強みとして持つスキル

■SEO対策の知識とスキル

ほとんどのゲームが、何らかのプラットフォームに載せて運用していると思います。AppStoreしかり、MobageやGREEしかり。
すると、ゲームディレクターの場合、そのプラットフォーム内でのSEO知識はあっても、Google検索などのSEO知識はほぼナシ、というスキルセットになります。
私もAppStoreのランキング流入とか検索流入とかの知識はあるけど、言われてみればGoogle検索に対するSEOの知識はちょっと弱い。このブログを運営しながら体感では数字とか見てるけど、プロとしてやってるわけじゃないし知識不足感がある。
その辺はずっとGoogle検索と戦ってきたWebディレクターさんには敵わんなぁと思います。

■AdWordsなどを使ったリスティング広告運用経験

こちらもほぼ理由は一緒なんですが、プラットフォーム内で広告を打つことはあっても、ゲームディレクターはAdWordsなどのリスティング広告をする機会がかなり少ないです。
ゲームディレクターとかプランナーだと特に、新規流入数はKPIとして持ってなくて、自分とは別に広告担当がいたりするのではないでしょうか…私は自分で新規流入まで見てた時期もあったけど、プラットフォーム内のSEO対策はやったけど、リスティング広告出稿はやったことない…

■Google Analyticsでの運用経験

今まで作ってきたゲームはすべて、ゲームごとに管理画面を作ってそこでKPI確認をしていたので、Analyticsは使ったことなし。私もブログのKPI見てみたくて入れてるけど、すべての機能を使いこなせてるとは思えず。
Analytics入れてるWebサービスは多いと思うので、これはちょっと痛手だなーと思います。ゲームしか作ったことなかったので仕方ないんだけど。使えばわかってくるもんなのかな?

逆に、ゲームディレクターのほうが得意そうな部分もありまして。

ゲームディレクターのほうが強みとして持つスキル

■ユーザの行動サイクル作成

特にソーシャルゲームディレクターだったら月に数回は新しいイベントを考えたりして、そのたびにユーザの行動サイクルを考えるので、かなり考えるのに慣れていると感じてます。
ゲームだったら、レベル別に何段階かユーザがいて、それぞれのユーザがどのように遊んで、どのように報酬を得てくれたらもっと遊んでくれるのか。もう毎日のように考えなきゃいけない。
Webサービスも、どんな目的でユーザがサイトに訪れて、どんな目的を達成してくれたらゴールなのか、そのサイクルをどう回すのか思案すると思いますが、ソシャゲのイベントよりは頻繁に考えるものではないかなと思います。

■ゲーミフィケーション的な、ユーザのモチベーション付け仕様考案

ユーザがどうしたらより深くサービスを使ってくれて、のめり込んでくれるか。
そのあたりの動機付けは「ゲーミフィケーション」とか言ってちょっと前に話題になってましたが、ゲーム制作の経験豊かな人だといろんなアイディアを持ってきてくれるかなと思います。
ゲームの得意分野でもありますし。
さらにソーシャルゲームディレクターだったら、どうしたら射幸心を煽れるかというのを考えるのも鍛えられているという、人には誇りたくないスキルまで持っていたりするかも。あーいやだいやだ。

■使いごこち・UX的な部分の落とし込み

これも、ゲームはUX命みたいなところもあるので、どうしたら気持ちよく使ってもらえるかを言語化して仕様に落とし込める能力は強いんじゃないかなと思います。
ただクリックするゲームなんてつまんないですから、そこにどう変化をつけて「次はなにが起こるかな?」というワクワク感を演出できるか。そしてそれを邪魔しないUIを設計できるか。イベントごとに考えるので、思考の回数も多いんじゃないかな?と思います。



とまあ、こんなかんじです。
Webディレクターさんと話をしてみて、劣等感を抱いたもので…。
でもゲームはゲームの良さがあって、それは非ゲームにも生かせると、書きながら自信ちょっと回復してみたり。

逆に、Webディレクターがゲーム業界に入ったらどんなことを思うんだろう?
たぶん、ゲームプランナーがやってるような、レベルデザイン系の仕事に苦戦するのかな?
KPIも微妙に違うから、えげつなさにびっくりするかな…ははは…




懐かしいなこの本。
良かったような気がするけど、ゲーム業界に入ったことある人には不要だなーって思った気がする。

ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ― (ThinkMap)

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