レールを外れてもまだ生きる - コロポンのブログ

派遣OL、ベンチャー企業取締役になる。二児の母。ふつうの会社員にはなれなかった人のつぶやき。

スタートアップ企業が最初に採用すべきWebディレクターの選び方

最近、とあるスタートアップ/ベンチャー界隈の企業さんとお話する機会がありまして。

「うちにはまだ「Webディレクター」という人がいないのだけど、ついに採用しようと思っている。でも選び方がわからない」

という話をいただきました。
確かに、一度もWeb界隈で働いたことがなかったり、Webディレクターという人種とあまり接していたことのない人しか創業メンバーにいなかったりすると、選ぶもなにも基準がない、といったところかと思います。
そういう私も、スタートアップで採用活動はしたことないので、これが一概に正しいとは言えないけど、その時アドバイスしてみたことを一度文章化してみようと今ブログ書いてみています。
もしご意見がありましたら、コメントなりブコメしていただけますと、本気でWebディレクターを探している人達の役に立てると思うので、どうぞよろしくお願いいたします。


私がその時アドバイスしてみたことは…


KPIが自分で設定でき、PDCAを回せる人を選ぶ

Webディレクターにも二種類いると思ってて、

・コンテンツのクリエイティブを作り出すのが得意な、0から1を生み出すタイプ
・運営フェーズが得意で、数値を見て細かな改善を回す、1から100にするタイプ

ちょうど、絵描きが得意な「グラフィッカー」と、UI設計が得意な「デザイナー」みたいな?
同じ二次元を扱うのでも違うように、ディレクターにも2種類いるんじゃないかな?と。

で、今回の場合だときっと、創業者や創業メンバーがすでにサービスへの哲学を固めていて、それを実現するためのプロトタイプは制作されていたり、すでにリリースはしていたりして。
なので、すでにあるものをどんどん良くするスキルを持ったタイプがよいです。
だから、サービスを出しっ放しではなく、運営フェーズを経験したことがあるというのは必須で。
Analyticsなどを用いた経験があって、自分でKPIを設定できてPDCA回せるのがいいと思います。


KPIを設定できるスキルを持っているか確かめるには、実際に数分サービスを触ってもらったりして、改善点を聞けばわかるはず。
ここのボタンの配置が悪いと思うからクリック取りながらA/Bテストしましょう、とか。
そういう改善点とKPIの設定が同時に考えられる人がいいと思うんですがいかがでしょう。


自分で課題を抽出・整理してタスクに落とし込める人

KPIの設定とも似てるんですが、KPIだけではなくて、任されたサービス全体の課題を拾いだして整理し、優先順位をつけてエンジニア・デザイナーとガシガシ改善タスクを回すような経験のある人がいいです。
ディレクターなんだから当然そういう経験がある、と思いきや、すでにタスク化された状態の仕事しかやったことない「Webディレクター」というものも存在すると思うので。特に大手でしか働いたことのない人。
意外と、タスク管理経験って仕事でしか積めないし、経験がモノを言うところもあるので、ないがしろにはできないです。


内製ディレクターの経験がある人

エンジニアとデザイナーと、ディレクターと3人で顔を合わせて仕事したことがある人。
顔を合わせて仕事するのと、外注エンジニアやデザイナーに頼んで仕事するのとは、全然感覚が違うので。
外注だったらポイポイと投げられるタスクも、内製で疲弊しきったエンジニアを目の前にしてポイポイ投げられるか?という感覚的な部分って、意外とけっこう大きいと思ってます。
だから、内製経験のある人は、タスク管理ももっとシビアにやれていると思っております。


創業者の意図を汲める人

性格の問題にもなるのかもしれないけど、あんまり頑固なクリエイター気質で「自分のサービスをリリースしたいです!!!!」ってなっている人は、たぶん創業者にとってはその人のハンドリングが大変になっちゃうので、むずかしいのでは、と思います。
あくまで「やりたいことを実現してくれる人」を採用すべきで、クリエイターすぎる人は違うのかな、と。
ゴーストライターのような存在が得意なWebディレクター、っていうんですかね…。

でも、クリエイター気質の人を雇って、衝突しながら良いものを作る、という方向もありますが。
雇うからにはある程度覚悟しなきゃいけないですね。


やっぱり最後は、気が合いそうな人

少人数で缶詰になる人間を選ぶわけですから、直感的にこの人は違うな、という人はやっぱりこの段階では雇えないと思います。
もう少し事業が拡大して雇える人数が増えたら、いろんなタイプの人を呼んで様々な意見を集約すればいいんですが、スタートアップの忙しさの中で、目に見えないいさかいを調整する暇はないと思うので。
ディレクターの腕も大事ですが、結局は雰囲気が合わないと、うまく回らない部分が出てくるものかと思います。にんげんだもの。



とまあ偉そうに書いてみました。
私がその時その企業さんにアドバイスさせていただいたことなので、正解不正解とかは状況によってもサービスによっても違うだろうし、ご参考までに。

でもWebディレクターっていうのはやっぱり雇うと良いですよー、エンジニアやデザイナーと違って誰にでもできそうな気がするかもしれませんが、やっぱりプロの仕事は違います。良い人と出会えたら、どんどん開発が円滑に進んで、きっとびっくりされると思います。
なんて、ディレクターのハードルを上げてみておきました。えっへん。


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