東京はもう古い、これからは八丈島
ここが八丈島。
東京はもう古いのだよ。
古いってなんだかよくわからないけど。
おまけに八丈島も東京だけど。
職業柄?ここ最近「島」に行くことが多い。
(こんなのやってます:tripro VOICE - 明日行きたい旅が見つかるWEBマガジン)
この仕事はじめるまでまったく「観光地」という認識のなかった伊豆大島にも、9月に行った。都心から2時間くらいで着いちゃうアクセスの良さと、なんといっても釣り師魂の揺さぶられる圧倒的な磯と港の数々。
そんなテンション上がる体験をしていたので、今度はもっと南にいきたいと欲が出た。
そしてついに、八丈島に上陸いたしやした。
島の人たちがあたたかすぎる
私が出会った八丈島の人たちは、みんなあたたかでお人好し。
女ひとりでひたすら釣りをする2泊3日の旅だったのだけれど(同行したみなさんは潜ったり登ったりしてた。釣り師は私ひとりだった。)、それはもう数々のお兄さんおじさんに話しかけられまして、釣りが面白くて面白くて仕方なかったんです。
釣具屋の猫とお兄さんとお姉さん
1日目に出会った、八丈島フィッシングCLUBの猫と店員さん。
このにゃんこはミナミの帝王みたいな形相で私に近づいてきて、一瞥して去っていったわけですが、迫力ありすぎて真剣にこわかった。
でも店員さんは私をあたたかく迎えてくれました。店員さん手作りの「八丈島人御用達・仕掛けセット」を購入。
いわゆるカゴ釣りの仕掛けなのですが、いざ釣り場にいくと地元民もレンタル竿もみんなこの仕掛け。
引用:カゴ釣りで潮目を狙え! その他にも、初めての八丈島釣りの私に懇切丁寧に様々な準備をしていただいて、心強かったです。だいたいバッカン(カゴ釣り用エサ入れバッグ)とか持ってなかったから私。その辺りまで揃えるのに逐一アドバイスいただきました。
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こんなの買った。
金物店の店主
この日は深夜に小雨が降ったらしい。
翌日早朝から、さっそく釣行。
昨日買った仕掛けで何を釣るかというと、ムロアジ。
底土港近くの小さな港湾。海を覗きこむと、アジ的な何かが大量に泳いでる。
これはもう、先ほどの仕掛けを装備して釣るしかない!
で、適当に仕掛けを竿にセットして使ってたんだけど、どうにもウキの意味がわからないことになったので、外してサビキしておったわけです。
そしたら、なんとか金物店の軽トラックで乗り付けてアジを狙っていたおじさんが、私に話しかけてくれて。
「ウキ使って、少し投げたほうが釣れるよ」
とのこと。ふむふむそうなのか、と思って、ウキをつけて投げる。
でもやっぱりウキが変。
すると。
「これ、ウキの通し方違うね。」
といって、おじさんのカバンからハサミを取り出して、数分かけて仕掛けを作ってもらいました。
優しすぎる…。そして颯爽と軽トラックに乗り込み、去って行きました。
その後私はメアジをゲットしやした。アジ釣るのも初めてだった上に、30cmくらいのサイズが釣れちゃってまじ歓喜。わーい。
洞輪沢港のおじさん
お昼すぎに場所を変え、洞輪沢港というところに到着。
サーフィンで有名?な浜の横にある、小さな港。
主に会社のメンバーと一緒にきてました。みんなは浜のほうで潜りにいったです。
私はこちらでも当然釣り。ひとりぼっちで荷物持ってとぼとぼと港のほうへ。
この港もアジもくるみたいで、カゴ釣り仕掛けのひとが港内を攻めてました。中にはエギング(イカ狙い)のひとも。
私はここで、大量のテトラが積んであるのを見て興奮して駆け寄って、今日は日暮れまでここで釣ると決意。短竿にオキアミ(サクラエビみたいな見た目のエサです)をつけて早速穴釣りを開始。
まあ、大きめのベラや、よく知らない赤い魚とか縞模様の魚とか釣れましたが、どうにも大物はこない。仕方ないか…と思いながら根気よく沈み根を探っていると。
「なんか釣れた?」
と全身黄色いジャージ上下を着込んだおじさんに話しかけられました。
「いやーぜんぜんですね」
と返事をすると。
「オモリ持ってる?いやー、そもそもこんな竿じゃ釣れないよ!竿貸してやるから、待ってて」
えええええええええ…
自前の竿貸していただけるなんて。しかもわざわざ、おうちに取りに帰ってくれました。
そしてしばらくして持ってきていただいた竿は、太鼓リールに毛糸のような極太道糸を装備した、超強靭構造。
なんだこの島。こんなイカツイ装備じゃなきゃいけないのか。
手芸用テグスのようなハリス1.2号が普段のメイン装備の私。いろいろと島の実力をなめていた。
そこでまあここでは書きにくいヤツを狙ったり、ものすごいタフネスな釣りを教えていただきました。
ふたりで2時間くらい釣ってた。
おまけにそんなに釣果が出なかったからって、昨日釣ったんだよといってお土産に金目鯛っぽいデカイ魚をもらった。またわざわざおうちに帰って、持ってきてくれた。
なんだこの島、なんだこのおじさん、本当に、感謝してもしきれない。
また近いうちにおじさんに会いに行きたいでございます。
名前も知らないおじさんだけど、感謝の手紙でも書いてみようかと思ってます。
住所も当然知らないのだけど、家の位置は知ってるからなんとか届けてくれるんじゃないか。と信じてる。
というわけで、いままでの人生の中で一番、人との交流を楽しめた旅でした。
そして強烈に、もう一度行きたいという欲求に駆られます。
この島民の優しさ、「また来たい」と思わせるための全島的な罠なのかもしれない。
がっつりハマった。
そういえば、この日クジラが打ち上がっているのを親切にも教えてくださったのも島民だった。
貴重なものを見たです。