ベンチャーで働く私がリーン・スタートアップを読んで実践してることを書く
人生紆余曲折ありまして、ベンチャー企業と呼ばれるところで働くことになった私です。いま、ちょうどここで働き始めて半年くらい。
ベンチャー企業の面白いところのひとつは、リアルに「明日生きるために今働く」という臨場感をもって目の前の課題に取り組めるところ(実際にはそこまでは差し迫って明日潰れるってかんじではないけど)。大手企業にいたときに、私がいなくても会社は回っていくという虚無感に苛まれていた私にとっては、いい意味でやりがい搾取されていて居心地はよい。
でも、ベンチャーはベンチャーなりの問題を抱えます。
最たるものは、悠長に開発してたら会社が潰れる、というものです。
リリースが遅延したり、リリースしたものがイマイチだったりした場合、大手なら上司に怒られたりすれば済むかもしれないけど、ベンチャーの場合本気で会社がなくなる可能性が出てきてひぇーってなります。
そんな、ベンチャーにとって(ベンチャーじゃなくてもそうだけど)一番大切な「時間」をいかに効率よく使って、なるべく無駄なく開発するかという知恵の詰まった本がリーン・スタートアップというやつだと認識しております。
リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
- 作者: エリックリース
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/09/11
- メディア: Kindle版
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Kindle版読んで信仰を深めて、書籍版まで買っちまったパターンです。これまでむしろ読んでなくてごめんなさいってかんじですが、派遣OLしてたのでその時は興味湧かなかったのよねこれが。
で、調子に乗ってランニングリーンも読んだ。そしてリーンアナリティクスも予約した。マイブームみたいになっとる。
Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)
- 作者: アッシュ・マウリャ,渡辺千賀,エリック・リース,角征典
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 14回
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Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法 (THE LEAN SERIES)
- 作者: アリステア・クロール,ベンジャミン・ヨスコビッツ,エリック・リース,林千晶(解説),角征典
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2015/01/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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前置きが長くなりましたが、いま猛烈に実践せなと奮起してるのが下記になります。
製品・市場フィットを達成する
私たちの製品のことを使ってくれた結果、「この製品がなくなったら非常に困る」というひとが40%以上になるまで、どんなにユーザ数などを増やす施策をしてもザルである。らしい。具体的な数値が出てて納得感ありました。
製品を愛してくれる人の割合が4割になるまで、ピボットを繰り返しながら市場のニーズにあった製品を作るのがまず何よりもやることである、と。胸に刻みつけて精進しております。
思っているよりはるかにミニマムでモノを作る
Dropboxが最初に製品紹介の動画を作ったというのがわかりやすい例。
私たち開発する人間というのは、とにかく作ってみたくなるけど、作るよりはるかに早く、この製品が本当に市場から求められているのか実証できる手段があるならそれに越したことはない。というわけです。
だから本当に動くモノじゃなくても、製品を擬似的に経験できる動画だって良い、というわけみたいです。
スタートアップにとって何よりも大切なのは時間。それを忘れないでいたいです。
何でも作れるからこそ、作らないものを決める
上と似てるんですが、この世の中、もはやなんでも作れちゃうわけです。
なんでも作れるからこそ、当てずっぽうにでもモノは作れるわけですが、それを利用してくれるひとがいるとは限らない。作ったところで誰の利用価値もない残念な製品を作ってしまったとしたら、それは開発してたほとんど全ての時間が乱暴に言うと無駄だったと。
そういうことがないようにしたいなーと心の中で誓うだけで違ってくるかなとは信じております。
計測できる、というのも製品のひとつの機能
ユーザの目に触れないアナリティクス系の機能を作るのに工数を割く、ということにかなり抵抗感があったのですが、なるほど分析できるというのもひとつの製品の強みであるとすれば納得感を持って開発に励めます。
実際、ソーシャルゲームと呼ばれた世界の開発運営をしていたころは、管理画面の充実が利益に繋がることも多々あったです。
常に分析できる場所で戦うことが、結局学習のサイクルを産む。そういう事実を常に念頭に置いておかなければと思います。
ピボットを恐れない
いま痛烈に思うのが、これ。
ユーザの4割に手放せないサービスだと言ってもらえるまでは、どんどんピボットすべき。だけど、こわい。本当は。
何が正しいかわからないし、成功するかなんてわかるわけないし、道しるべがあるわけでもない。いつでも暗中模索で、早くその暗闇から脱したいと思う。このまま積み重ねていけばいつか成功してくれないかな、ってどこかで思っちゃう。
でも、どんどん変化していかないと、ユーザの声と動作に神経を集中させないと、うまくいかないものなんだよなーと思うわけです。
やってダメならどんどん変わらないと。
飽きっぽい私なんかは、そんなお仕事がわりと性にあってたりはしますが。
知恵を得たので、あとはうまく活用して成果出すだけっす。
あたたかく見守っていただけますと幸いです。
ところで、私の会社、エンジニア募集するらしいです。正確に言うと、サーバのできるエンジニアさんです。
私と働いてくれるという心優しいエンジニアさんがいましたら、是非ともよろしくお願いいたします。
まだ募集ページを開いてないみたいなので、開いたらまたお知らせします。